魔王と勇者と暗殺者第四十三話
室内は適度な温度に保たれており、太陽の光が無くとも、最適な光源を有していた。地表部分から奇妙に思いつつも発光している原理がカインには良く判らなかった。
その光はそれほど高い有視界範囲を作り成していなかったが、カインにとっては逆に敵との交戦がある程度避けられない状況になっていった。
十字路を右に進む内に、ある程度の遺跡の破壊を実行しつつ移動をしている。その中で、まだ目的物は発見されてはいない。やはり、地下にある。その考えが確信に変わったカインは早々にこの階層である地下二階部分の探索を切り上げていた。
階層がしたになるにつれて、化け物が増えていく傾向を掴んでいたのだが、強さから言えば苦労するほどの敵達ではなかった。それでも、十字路で殺した敵が出て来る際には苦労したのは事実である。
いうなれば、その敵以外はカインでも楽に対処できたのであった。さらに気になる事も見つけていた。強い敵は二体一組で行動していた。他の化け物は不規則で完全な無秩序による行動衝動だったとカインは考えている。
恐らく、強い敵は巡回する警備兵という役割を担っているのだろう。というのがカインの考えであった。
ともあれ、何から何までカインにとっては目新しい代物ばかりで心を躍らせた。
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