魔王と勇者と暗殺者第四十話
「遺跡の外はあたしが担当する。内部は干渉できない。魔王のところはアイツ自身がどうやっているかは知らないけど許可しているから多少の干渉はできるけど、遺跡は完全に管轄外。」
そういいながら、封術士は遺跡近くまでカインをスキルで送っていた。
何でもありなスキルだな。とカインは呟いて見せたが実際に、彼女の使う能力はスキルというよりは魔法であったようだ。詳しくは言う事を拒んだが血統遺伝による継承が行われる。スキルも物によってはそうであるが、根を辿っていくとそれはスキルではないという。
その話に興味はあったが、カインにはするべきことが出来てしまったために今は目先に集中する事にした。
古代人の遺跡が魔族に解析され始めている。その事が事態を動かしていた。
魔王自ら現地に行く事はできないと聞かされたカインはまた、これも初めから行く事になっていたのだろう。という諦めのため息を吐き出しつつも今回の依頼の内容を確認している。
遺産の奪還か破壊。破壊で構わないと魔王は言っていた。が、封術士は遺産がほしいらしい。出来れば奪還だと念を押されていた。
一体、どういった物なのか。
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