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魔王と勇者と暗殺者 第五話

カウンターに採取してきた植物と狩猟した魔物の牙を詰めた袋二つを置く。受付をしていた男は無言でそれを受け取るとプレートをフードの男に手渡した。順番待ちのプレートである。

植物は全て本物で使えるモノなのか。魔物の一部は本当に魔物のものか。牙ならその牙は使える代物なのか。
依頼主が規定した長さないし重さがあった場合はその重さに合格しているか云々。非常に多くの項目を通って初めて依頼は達成される。
このプレートはその整理券である。一日で終わる時もあれば三日かかる時あるので、自分の泊まっている宿で過ごして毎日、報酬授与ナンバーを掲載する掲示板を見に来るのである。

男はギルド内部にある休憩所で休みつつ待つ事にした。取り合えず、今日は大手の持ち込みはないようなのでいくらか速く済みそうな空気を感じていた為だ。
椅子に座り隣接される軽食屋で買った飲み物で喉を潤すと男はため息をついた。嫌な情報しか入ってこない。何でも、各国で勇者を擁立して魔王退治に出陣させるという動きがある。
男は感知を付けられた時に有象無象が言っていた事を思い出していた。あれは本当の事だったのか。と。

勇者についてはまだ噂程度では人物像云々は見えてきていなかったが、男は過去において勇者という存在が実在している事を知っている。この事から、今回の勇者擁立は事実だろうし、それなりの訓練期間を設けて出陣させるのだろうと男は予想していた。

実際、今の所見かけていないのが幸いしたのだが、何故、自分達がこんな事をしなければならないのだろうか。という素朴な疑問が出てきた。
勇者が居るのなら、ソイツらに任せれば良いのに。何故だろう。手伝いでもさせるつもりなのだろうか。

もしかしたら他の連中の中には接触している所もあるのかもしれない。難儀な事だ。男は何処か遠くを見つめてしまった。

治癒者については噂の立つ治癒者を何人か見つけて地元民に金を渡し探りを入れてもらったが、結局全て駄目だった。
既に息が掛かっているので男が行っても無駄なのだ。大金を積もうが、相手は国家。ただの平民が勝てるはずもない。

男は席を立つ。プレートナンバーを呼ばれたためだ。予想以上に速かった。男はそんなことを思いつつ、報酬金を貰い、後にする。一つだけ気になる事があった。

治癒者の情報が意図的に流されている気もする。恐らく、そこに群がった有象無象を殺しているのだろう。既に篩い落としになっている。元々は非合法の荒くれ者の集まり。殺そうが害悪の駆除でしかない。

そんな輩を集めて正義の味方ごっこ。嫌な事を考える者が居たものだ。それでも、男は歩みを止めない。一つ、心当たりがあった。思い出したのはつい最近で、それも魔物を狩っている時だった。忘れていた。純粋にそう思いながらも、男は屋台で肉串を買う。

向かうにしてもそれなりに準備が必要だと感じながらも、遠い昔の自分を思い出し懐かしむ。肉串をほお張りながら明日にでもこの国を出るために宿へと戻っていった。
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