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十ノ一 九

 祖父の夢を見た。どうしてだろう、という疑問よりもまず先に、夢の中の一磨は土下座をして謝っていた。
 夢だと気付いたのは自分がその光景を上から――天井裏から覗き見ている、そんな感覚を覚えたからだった。それほど、視点だけしか動かすことのできない一磨は上から祖父の姿を見ただけで恐れ、委縮してしまった。

 祖父の顔を眺め見ると表面上では怒っているようにはとても見えなかった。祖父の事を知っている人物であったとしても、その顔色に激怒が混ざっている事を察することは難しい。
 そも、一磨であっても本当は、怒っているかを正確に判断出来ているわけではない。純粋に、一磨にはその無表情ともいえる顔が怖かった。
 いつもの顔。稽古でも出会いがしらでも、一磨にはその顔以外に祖父の顔を知らない。有り触れた恐怖の対象が夢の中で仁王立ちして土下座している一磨を眺めていた。

 謝罪の言葉はうやむやで上から覗いている一磨には聞こえない。けれども一字一句、悲しい事に判ってしまっていた。
 本心からの反省など微塵も含まれていない、ただ痛めつけられる事だけを回避しようと必死になっている。水面だけを波立たせ激しい感情の起伏を演出している様。これほどに滑稽だと思ってしまったのは一磨自身における心情の変化からなのだろうか。ただその思いも一瞬で終わりを迎える。
 上から覗く一磨の視点はゆらめき、やがては白濁してとろけていった。




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予定としては主人公が異世界に来てから一カ月以内の物語。となっていくのかな?
いや、なれば良いな……。

全然進んでないですけれどね。内海にいた時から、三日しか経ってないという。
そして、次回はその二日から三日目までですからね。

そこまで行くと、ちょっと時間が飛ぶ予定。まったり書き直したいところです。
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