冬に溶けた言葉
叙情詩
もう昔の話でございます
露と消えた想いが飛散して
終ぞ伝えることすら叶わない
待ち続けて思い続けて
それでも言葉は喉の奥
出てきてはくれません
きっと貴方はここから居なくなるでしょう
ですが私はここに残ります
じっと待っていても良いですか
貴方を想っていても良いですか
言いたい言葉は牡丹雪のように溶けていく
気付けばいつも二人で話が弾む
他愛のものから愚痴を零しあう
そんな日常がずっと続けば良いなんて
後ろめたい願いばかりが過ぎって
降り積もる雪を運び出す
大きな貴方の背中を見つめるばかり
もう帰っては来ないと思います
それだけをつげて貴方は何処かへ往くのです
どんな言葉よりも辛かった悔しかった
あんなに言えた愚痴ですら出てきません
ずっと待っていても良いですか
貴方と共に行きたいと言えない私
背中見つめて流す涙を捨て去って
貴方を抱き締めて
共に行きますと言いたかった
もう昔の話でございます
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