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長編小説 山賊は悪党で 壱弐

長編小説 山賊は悪党で 壱弐

「俺達は、昨日の夜。そうだな、月が出てすぐだった。街道で馬車が賊に襲われていたのを助けた」
 ヴァルトの嘘を付く事もせずに、淡々とダニエルに向けて言葉を並べて立てて行くかのように丁寧かつゆったりと喋っていく。
「襲撃者は誰かわからねぇ。だが、馬車に乗っていたのは奴隷商人だった。で、荷物はこのお二人さんだったってわけよ」
「……信じろと?」
 ダニエルはそう聞き返した。
「そうしてもらわねぇと、この状況はかわらねぇぜ?」
 ヴァルトは不敵に笑う。その顔を見てダニエルの眉間に皺が刻まれていく。
「ダニエル! 本当なのよ、信じて」
 そのやり取りに、ヘレナが声を出す。思わぬ援護に討伐隊の面々が多少動揺したように、いの顔を見合わせるも、ダニエルはヴァルトから視線を外す事はしない。互いに鋭い得物を突き立てあっているほど剣呑な雰囲気が辺りに充満していく。
「……さぁ、どうする? ここで俺らを殺すか? 姫も一緒に死ぬぜ」
 誰もが凄むように視線を鋭くさせた。
「それにだ」
 ヴォルフが声を挙げるとヴァルトは押し黙る。
「俺達の仲間が何かよからぬ事をするかもしれないな。ここに居ない俺達の仲間が」
「なんだと……」
 その言葉に、ダニエルは明らかに動揺する。それを見て、ヴォルフは追い討ちを掛けるかのように言葉を続けた。
「何人居たかな……二十人だったかな? 二十五人だったかな?」
 それに便乗してヴァルトも笑みを浮かべて喋り出す。
「おいおい。良いのか? こんな事をしている内に、町はどうなっているかな?」
 ダニエルは苦々しいとばかりに顔を歪ませる。
「アンタら、騎士だろ? なら、姫さん攫った奴らの目星くらい付くだろう? 領主が居なくなって、得する奴は誰だよ」
 ヴァルトは可能性を投じる。



取り合えず進もう、突き進もう。
解りやすい悪党作りをしたかった。解りやすくて、単純な悪党が今は少ない気もする。
純粋な悪党が総じてかませ犬っぽい昨今。この作品もそうなるのかもしれないけど。

悪党が悪党になるのには色々な理由がある。
だからこそ、悪党は千差万別で当たり前
欲望も、目的も、手口も、信念も。
悪党は悪党で、悪党らしく。
ヴォルフの死に、悪党は奮い立つ。
そして、ヴォルフの成したかった事を受け継ぐ決意を胸に秘める。

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