詩:晩秋の帰郷
山々に囲まれたそこは箱庭だった
盆地に人々が家を建ててそこに住まう箱庭
遥か高みから箱庭を望む山だけが
風を運び人々に四季の移ろいを伝えた
吹き抜ける木枯らしに身を縮ませながら
今日も箱庭という故郷を彷徨い歩く
日が陰り身も心も冷え切ったら家に帰り
家族の団欒に落ち着くのだ
山はとうに雪化粧を始めて
箱庭にもその気配が迫る
やがては冬が訪れて雪が舞い踊れば
直に今年という年が終わりを迎えて
また新たな季節がこの箱庭に訪れる
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