詩<日蝕>
始まりは何時だ
何処から捻じれた
終わりの見えないトンネルの中で
ねっとりとした湿気のように纏わりつく
大地を穢し
汚物を吐き出し
お前は俺に全てを擦り付けた
気が狂いそうだ
次第に腐っていく身体
哀れに思うか
俺の身体が毒されても
内臓も血液も脳味噌も
何もかもが正常と判断している
狂っている
壊れている
俺を殺すのか
俺は殺されるのか
誰に殺される
お前に殺されるのか
俺自身に殺されるのか
毒された身体を捨て去りたい夢は叶う事はなく
声は掻き消え
世界の手を勝手に振り解く
お前は誰だ
お前は俺だ
それでもお前は俺じゃない
お前は俺を穢した
何処から始まった
何時から動いていた
何を間違った
脳味噌の壊れた判断で
選択は俺を殺し
俺はお前と戦う事もなく消えていく
何も出来ずに無力さを呪いながら
その声も届かずに
俺は消えていく
ただ消えていく
何のために生まれて
何のために毒された
何を受け入れて
何を拒絶して
お前が俺を殺す
お前が俺を殺す
秩序をなくした世界の中で
内臓は腐り果てて
脳味噌は溶けていき
血液は憎悪に沸騰し
俺はただただ死んでいく
毒に犯されて
お前は俺を殺して何がしたい
何を見る
何のために進む
その先に何を望んでいる
俺を殺して
お前は俺を殺して
世界まで殺すのか
腐り落ちていく俺の声は
誰にも届かず消えていく
望んだ事にされ
失意の深淵へと落ちていく
誰にも気付かれることなく
誰にも見取られることなく
俺は死ぬだろう
俺は殺されるだろう
始まりは何時だ
何処で捻じれた
戻る事の出来ない世界の中で
俺は殺されるために生きている
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