天使
輝く生命の息吹が落ちていく
無垢な笑みと純粋な吐露の結晶が淡い
燃え上がるように赤々と鼓動を投げ掛けてくる
嗚呼 何時からだろう
箱庭の中は日差しが差し込み、埃の存在が見え隠れする
喋り声は怒声とも泣き声とも
ただただ、成すがままに
嗚呼 嗚呼
されるがままに
天使に殺意を抱き始めたのは
失っていく
息吹が消えていく
嗚呼 嗚呼
声を殺せ
傷跡を隠せ
叫びは消えて
無かった事に
叫び声は消し去られ
平静が何時もの日常を装う
叫ぶのは何故?
やめてやめてと叫ぶのか
怨みを轟かせるのか
嗚呼 嗚呼
叫び消えては生命が死んでいく
天使が世界の全てに殺される
声は
叫びは
何処までも
世界は落とした天使を殺す
嗚呼 嗚呼
もう二度とその優しさで包まれる事もなく
抱きかかえられる事もなく
叫びをあやされる事もなく
世界は殺した
世界しか知らぬ天使を
無慈悲のもとで
不必要の烙印を
独りよがりにて押し付けて
世界は天使を殺した
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