十ノ一 六
太陽は天高く上がり、一磨とラーレの頭上から心地よい暖かさを運んできている。
一磨はラーレに先導されるまま、内海の湖畔を目指していた。一磨はラーレの背中を三歩ほど下がって追いかける。
ラーレから説明は受けている。今から向う先は内海湖に浮かぶ浮島。夫婦信仰の神事に使われる神聖な場所にして無断で立ち入る事が禁じられている場所。
その浮島を鍵として内海湖全体を門として利用する。
改めて考えて見たところで実感が湧かない。一磨にとってはそれほどに途方も無い話だった。そも、異世界とて全部を全部信じているわけでもなければ、一磨にとって内海を出るだけでも異世界へ行くようなものである。十六年間、一磨は一度たりとも内海から出た事は無く、その生活範囲も十河家を取り巻くものだ。実感が湧かないというのも仕方の無い事だった。
唯一、と言ってい事はこの内海には戻ってくる予定がない。と言う事だけだろうか。一磨自身、帰ってくる事を是としていない。
蕎麦屋を出てから一旦、ラーレの関係者と接触し簡単な話し合いの場が設けられた。その際に、一磨はラーレより追っ手の心配は無いと言われてはいる。
その場限りのぬか喜び、ではないのだが長年否応にも暮らしてきた面々を思い浮かべるとどうにも心配になってしまう一磨であった。
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序章終了。次回から場所を変えます。
以前書いていたデータを抜き出すかどうかまだ先行き不透明。
余裕ある時ならば良いんだけれど、壊れたなら、新しくしようかな。なんて思ってもお金が無い。
修理というよりもグラボが壊れただけなので、グラボ交換でなんとかなるような気も。
素人目には判らない故障があるのかもしれないから、自力では怖い上に、ディスプレイが映らないので
データ抜き取るのも業者に頼まないと行けないのかな。難儀なところです。





テーマ : 自作連載ファンタジー小説
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