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長編小説 山賊は悪党で 弐拾

長編小説 山賊は悪党で 弐拾

 人々の口から、振り動かす身体から沸き起こる喧騒が町全体を包み込んだ。
 領主城の広場は、すっかりとその姿を処刑場へと変えている。急造された木造の高台に釣り下がる二本の縄が弧を作り垂れている。
 処刑場の門前には数十を越える人々が集まり、衛兵が作り出す壁ごしから処刑を心待ちにしていた。
 誰もが願っていた。ある者は、好奇心に目を輝かせながらその処刑を今か今かと待ちわびる。ある者は、眉間に皺を寄せ挙げながら、何やら呟きながらも処刑台を見つめている。
 処刑の時が来た事を告げるような大きな歓声が挙がり、ダニエルが高台に昇った。後ろからカスパルが昇ってくるが、必死に抵抗しているようで身をよじっている。
「観念しろ!!」
 野次が飛ぶとそれに呼応するかのように、カスパルに向けて罵詈雑言が投げ掛けられる。
 よくも今まで騙してきたな!
 お前が俺の娘を攫ったんだろう!!
 カスパルが奴隷商人とも関わりがあった事まで露見していたので、民衆からの辛辣な声が押し寄せてくる。それはまるで大雨によって作り出された土砂を含む濁流の唸り声のような低く、それでいて地鳴りのような音となっていた。
「静まれ!」
 その喧騒を、ダニエルが治めていく。すると、その濁流は途端に姿を消していく。民衆はダニエルの言葉に、徐々に口を噤み始め、処刑の始まりを待ち始める。
 まだ小さなざわめきこそあれど、自分の声が届くと判断したであろうダニエルは大声を張り上げた。
「これより、カスパル・セレスタン・グラネストの処刑を執行する!!」
 鎖帷子の鎧にその堂々とした佇まいに民衆は魅入っているように、誰もがダニエルを見つめていた。



もうすぐ完結予定。

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テーマ : 自作連載ファンタジー小説
ジャンル : 小説・文学

短編小説 背中を押して 七

短編小説 背中を押して 七

 気付けば背中のコートを、しっかりと掴まれていた。
 相変わらず、暗い世界の隅々まで駆け抜けていくように、寒い風が吹いていた。
 もう足の感覚も無くなっていたけど、辛うじて立っていられたのは小父さんが掴んでいてくれたからだった。
「だから、殺したのか」と小父さんが言った。
「うん」
 今も、両親だったものは自宅という虫籠の中で、死に絶えているはずだ。腐敗が進んでも、冬の涼しい気温で異臭も発生しにくいと僕は勝手に思っていた。
 父だったものは包丁で刺した。きちんと両手で握り、刺しやすい腹部を狙い、体重を乗せて思い切り突き刺した。倒れ込む父だったものを引き摺りだすと、口にタオルを無理やり詰め込んで、ガムテープをぐるぐる巻きに固定した。両手足も同じようにしてそのまま放置した。
 母だったものは、父だったものが寝室で死んでいる事を知らずに帰宅して、血に驚いた所を襲った。
 ロープで首を思い切り締め付けた。始めは抵抗したけど、意識を失うのを待ってから、キッチンの椅子に丁寧に座らせると首にロープを巻き付けて、正座するように足を縛った。ロープとガムテープでしっかりと固定して、起きるのをじっと待った。
 起きてからは簡単だった。母だったものは混乱して自分から椅子から落ちて首を吊った。足が伸びれば助かるほどの低い位置で、僕を見つめた。僕は、痙攣を始めて汚物が撒き散らされるまで、黙って見続けた。
 これは、僕の義務だと勝手に思い込んでいたけど、やり遂げた。
「それで?」と小父さんは言った。
「僕は迷った」
「迷う」
「このまま、僕は姉さんを変えてしまった男を捜すのか。大人しく警察に往くのか」
 本当なら、すぐにでも警察に行こうと思っていたのに、気付けばこのビルを昇っていた。感傷、なのかもしれないけど、そんなものよりずっと鮮明だと思った。それこそ一字一句と忘れていなかったし、どうやって飛び降りたかも全部、覚えていた。なのに、どうしても僕には解らなかった。
 姉さんの気持ちを理解してあげることが、出来なかった。



プロットの無い小説。完結しました。
かなり強引に突っ走りました。


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テーマ : 自作小説
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長編小説 山賊は悪党で 壱九

長編小説 山賊は悪党で 壱九

 ダンの臭いをディックはきちんと嗅ぎ分けていた。だが、容易に姿を見せる事はしない。十二分に城門と距離を置き、違和感無く、まるで尿意が急に襲ってきた旅人を演じるダンが林の中へ隠れるまでじっと息を潜めていた。
「外部の手を借りる。ザックスという商人の馬車を故意に襲え、司教の処刑が始まった頃合いに町を立つ。城門を出たら即座に襲え」
 ダンは口早に言った。
「大丈夫?」
「商人だ。約束を疎かには出来んはずだ。それに、信用はできる」
「解った」
 ダンは布切れを落とした。
「判るな?」
「うん」
 それは、ザックスの身に付けていた衣服の切れ端だった。


 クレアが作り出すその空気と突き刺さった瞳。
 宿屋に戻り、山賊達と向かい合ってもザックスの胸の中にはあの時の茶番劇よりもクレアの存在が目に焼きついていた。
 三人の山賊は、ザックスの報告を待っている。口火を切るザックスの表情は柔らかい。
「首尾は上手くいきました」
「そうか」とダンは言った。
「こっちも大丈夫だぜ?」とユーリは軽口を言うかのようにあっさりと言った。
「処刑はいよいよ明日ですね」
 ボーは神妙な面持ちで処刑と言う単語を述べた。
「運命の日ってか。冗談きついよ」
「やるしかないです」
「そうだけどさ」
 ユーリは嫌そうに顔を歪める。本来ならば、絶対に請け負う事の無い仕事という事になる。だが、彼らはそれを行う。
「怖気づこうが、計画は実行に移す」
 ダンの言葉に、ユーリは手をひらひらと上下に振りながら、椅子に座りテーブルに右肘を置いて頬杖を作る。その表情には嫌々というものは消し去り、あるのはゆるやかな時の流れを待ち望む、まるで少年のような生き生きとした興奮が漲っていた。



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テーマ : 自作連載ファンタジー小説
ジャンル : 小説・文学

短編小説 背中を押して 六

短編小説 背中を押して 六

 待っていたのはいつもの日常で、それは本当に何も変わらない日常だった。
 僕は寮へ入る引越し準備に追われ、両親はいつものように仕事と趣味に明け暮れていた。
 変わったことと言えば、僕が寮生活をするために部屋を片付けた事と、葬式を終えた両親は早々に姉さんの遺留品を処分した事だった。残されたのはアルバムだけという仕打ちだ。
 そして、僕が自殺現場に通うようになった。それだけだ。
後は何も変わらない、朝起きれば両親と食事をしてテレビを見て、父は仕事に出かけて、母は適当に洗物を済ませると、同じように家を空けていくだけだ。
 僕は、卒業式と寮生活のために移動しなければいけない日が近づいてきていた。
 そんな毎日が日々平穏に感じられて、両親は姉さんが始めから居なかったと、思っているかのように、何事も平坦に過ぎ去っていった。
「どうしてだろうか」
 僕は一文字ずつ区切って言葉にした。
 ベッドに寝転んで、天井をただじっと見つめながら、色々な事を考えた。僕の歩んできた短い人生と、両親の事、そして姉さんの事を考えた。
 でも、どう考えたって、あの時の姉さんを救う方法が思い浮かばなかった。あの場面になると、僕は一歩も動けなかった。どんな言葉を考え付こうと、絶対、助け出そうと意気込んで、妄想して見ても、どういうわけか結果はいつも同じだ。
 姉さんは飛び降りて、僕は動けないままの光景だけが、脳裏を駆け抜けていった。
「どうすればいいのだろうか」
 僕は先ほど同じように言葉を出した。
 どうして死んだのか、という意味もあったけれど、もっとドス黒い何かがあった。むしゃくしゃしている、なんていう言葉が今の僕にはお似合いだった。



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テーマ : 自作小説
ジャンル : 小説・文学

14兆で、日本の国土の4割を買えてしまうような状況がある

中国のGDP世界第2位が確実に 急増する「日本買い」に、政界は土地取得への規制を検討

北海道議会の小野寺 秀議員は、「この場所はまずいよ」、「中国とかだったら、切り売りしないでまとめてドボンと、何億で買ってくれるって話だ」と語った。
訪れた場所は、北海道・新千歳空港のすぐ脇にあるおよそ17万坪の土地で、空港から5km圏内には、陸上自衛隊の東千歳駐屯地があるなど、防衛上、重要な地域となる。
ここが今、外国資本に売却されようとしている。




中国から今、日本の土地を買い漁っています。北海道では既に、水源地となる土地が売買されてしまっています。

http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00191592.html
現在、日本の土地は14兆円で4割の国土を購入される危険もあり、現在は自衛隊周辺の土地も売買可能だといいます。

こうした法整備の不備を狙って現在も、日本の領土は中国に買われてしまっているのが現状です。 駄文同盟 にほんブログ村 ポエムブログ 自作詩・ポエムへ bnr.gif image113.gif 小説・詩

テーマ : これでいいのか日本
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