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長編小説 山賊は悪党で 六

長編小説 山賊は悪党で 六

「ヴァルト。緊急。だけど隠れてる」
 その言葉に三人は火を消しながら腰を浮かし、身を屈ませた。途端に世界は闇に支配される。
 三人はまだ目が慣れていないが、話を進めていく。ヴァルトはボーのために矢を握った。
「ディック、どっちだ」
 ヴァルトは小さく呟いた。するとディックが動く。その気配に三人はディックの方向を察知して身体を向けると、やはりそちらから声が聞こえてくる。
「ボーの方。町側の街道沿い」
「行くぞ」
 おぼろげながら姿も見え始める辺り、夜目に慣れている。颯爽とまでは行かないが、それでも速い速度で闇夜を駆け抜ける。
 暫くするとボーの後ろ姿が確認できた。遠目に街道が見える。その視線の先にはランプであろう明りが揺らめいて、馬車が止まっていた。
「ボー」
 ヴァルトが小さく、囁きながら視線を向けると、その先の街道から声が響いてくる。
「馬車が襲われています」
 ボーの言った通り、馬車が何者かに襲われているのが窺い知れた。
「――同業者か?」
 咄嗟に、ヴァルトがそう呟く。この街道にはヴァルト以外に山賊は居なかったが、絶対ではないし、今日ここに来た賊かもしれない。同業者といっても盗賊という事も考えられる。
 だが、ヴォルフとダンはその言葉を否定した。
「いや、あの身のこなしは違うな」
「鍛錬を受けた者」
 ほぼ同時に囁かれた言葉にヴァルトは不敵に笑ってみせる。
「流石、ヴォルフにダン。頼りになるぜ」
「どうしますか。頭」



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テーマ : 自作連載ファンタジー小説
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長編小説 山賊は悪党で 五

長編小説 山賊は悪党で 五

日は陰りニールの町に闇が舞い降りる。夜の出入りを監視する事と犯罪防止による行為で、城門にかがり火を立て、その横に衛兵が立っている。
 他の町により近ければ夜でも出入りはあり、衛兵も忙しかったかもしれないが、ここはニールの町で夜の警備と言えば眠気との戦いだった。
 今日もそうなるはずだったのだが、ニールの町内から疾走する四頭の馬に引かれた馬車が城門から外に飛び出していった。次第に、町中が喧騒に包まれ、衛兵が口頭で事態を説明し、やがて領主城にまで波及していく。
 教会に向かった領主の娘二人が誘拐され、領主様の容体が急変して指揮を取れない。代わりに指揮を執り始めたのが教会を管理するカスパル司教で、騎士団長で二十年間、領主に仕えてきたダニエルも已む無く、その指示に従うという。
 町は俄かに活気とは違った喧騒に溢れていく。



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