長編小説 山賊は悪党で 完結
町と町を結ぶ街道には様々な種類がある。平原を真っ直ぐ通る街道もあれば、曲がりくねった丘陵地を駆け抜ける街道。その中には勿論、山道だって存在する。山間にある大きな炭鉱の町を繋ぐ山道に、山脈を抜けるための山道と、色々だ。
「よぅ、ちょっと止まってくれ。死にたくなかったらな」
「はいはい。止まりますよ」
ニールの町は他の町から遠く、山道と平原を貫く街道を往来する必要があった。その道中は、出発する町付近には賊の脅威が今だ消えておらず、平原や山道に入れば腹を空かせた獣が襲い掛かってくる心配もあった。
「聞き分けの良い奴は大好きだぜ? まぁ、安心しろよ殺しはしない」
そうした街道は、町々を治める領主である貴族や国を治める王が管理しているもので、町から近ければ騎士団や衛兵が巡回し、警備をしている。
商人は町に金と物をもたらし、国や領主に利益を与える。その商人は街道を通って町を行き来する大事なお客様だった。そんな商人達を護るために、領主や国も手を回している。
それでも、長い長い街道全てを護りきれるわけでもなければ、町によっては街道に手を回せるほどの兵員すらままならない。そういう事態に陥っている領主の方が圧倒的に多い。
「商人様よ。貴方様は、何処まで行くのでしょうかね?」
だからこそ、賊徒と呼ばれる無法者がのさばり、いくら国や領主が討伐隊を出して討伐しようと消える事は無く、居るところには居て、居ないところには居なかった。
「キリバスの町ですよ。あそこは交易が盛んでしてね、何でも西から良質な毛織物が入って来ているそうで。一度本拠に戻ってから妻と従者でも連れて向かおうかと思いまして、こうして馬車に揺られているわけです」
完結しました。
なんというか、広げて畳んでいませんけれど。
この後はまぁ、ぶらぶらと旅していくんじゃないでしょうかね。
続きの方に原案載せておきます。
起承転結でくみ上げてはいません。
http://ncode.syosetu.com/n7607p/24/





テーマ : 自作連載ファンタジー小説
ジャンル : 小説・文学